渓流魚釣りの想いでと、醍醐味 天然の大岩魚 (茅野市・原村・蓼科高原・八ヶ岳 )


● 魚釣りの想いで     天然の大岩魚を格闘の末、釣り上げる


                        オータ住環境」 代表 太田清人

      

ここでは、私の趣味の一つ、渓流釣りでの一番の思い出と、魚つりの醍醐味についてお話ししたいと思いますます。


「長野県 茅野市 八ヶ岳山ろく 蓼科高原の  本流の上川    支流の滝ノ湯川  渋川 音無川 ・・・・・他、小さな川・・・」


この写真(1994年)は、蓼科高原の滝の湯川の上流での釣りです。思い出の場所の少し下流域です。




魚釣りの想いで 大岩魚

                                              平成29年1月16日

私は、子どものころから釣りが大好きでした。中学のころは、川の近くに釣竿を隠しておいて、学校帰りは釣りざんまいでした。釣りだけでなく、自然との遊び(カブトムシ、きのこ採り、ジバチ・)は徹底していました。何事も面白いことは、やりだしたら半端ではありませんでした。(一言で言えば、ものずき)よって、子どものころは勉強はしませんでした。好きなことはしたが、嫌いなことはしなかったのです。

私が28歳のころでしょうか、滝の湯川の上流で、天然の大岩魚36.5センチを格闘の末、釣り上げることが出来ました。釣りでは一番の思い出です。今でも魚拓を取って飾ってあります。この釣りの、狙いから一時間あまりを掛けて釣りあがるまでの過程を、今でも鮮明に覚えています。忘れないうちに、今、想いだしながら紹介したいと思います。

昭和61年8月27日の昼ころ、茅野市上川の支流、滝ノ湯川の上流、新湯ホテルより300メートルほど上流に大きな淵があります。ここ淵は、好なポイントの一つでした。釣りに出かけた時は、ここで一匹は釣り上げていました。

夏の終わるころのこの日も、新湯ホテルから釣り上がって行きました。この大きな淵までの300メートルほどの間では、一匹も釣れていませんでした。大きな淵の下まで来た時に、自分の影が淵に映らないように、頭だけを出して淵を覗き込みました。

日中の日ざしが真上から水面に差し込んでいました。淵の中でもポイントが幾つかあります。その一つに北側に大きな岩が飛び出している箇所があります。ここのところを静かに見渡していると、その大きな岩下に、魚のような影がゆらゆら見えていました。影だけであって、実物は見えていません。

影の魚がどれ程大きいかは、解りませんでした。それまでの経験で25センチ前後くらいに思いました。 冷静になり、まず餌であるミミズを新しい餌に変えました。道糸は0.6、ハリス0.4です。少し時間をあけてから、影が見えるところから少しはなれた所に、ゆっくりとミミズを垂らし水面に入れました。水面から10センチほどの位置で、影のところにミミズを誘いました。しかし、魚の影はピクリとも動きません。何回かに分けて誘ったのですが、ピクリともしませんでした。

一度あきらめて、仕切りなおしです。仕掛けを換えることにしました。道糸は0.6のままですが、ハリスを0.2号に、一番細い糸にしました。警戒心を和らげる為です。10分ほど待ってから、餌も変えて再挑戦です。

今回は、もっと後ろの方から流し込み、誘いました。大きな影を通り過ぎたあたりでしょうか、影の魚でなく違う魚が掛かってしまいました。「やれやれ小物が掛かってしまい、これでおしまいだ」と思ったものです。掛かってしまった魚を、出来るだけあらびないように考え、川の水の流れに乗ったようにして、淵からの流れ落ちるところまでもってきて、静かにひきよせ釣り上げました。

釣り上げた魚を見てビックリしました。というのは「チビ(13センチほど)だと思っていたのが、23センチくらいあったのです。この時思ったのは、では、影しか見えていないあの魚は、もっと、ズット大きいはずだ、と。

でも、影の魚の近くで掛かった魚を一度釣り上げてしまったので、もう、警戒して釣れないだろうな。と思ったものです。悔しいやら・・・・で、少し混乱していました。

気を取り直して、ちょうどいい時間だから、ここで少し休憩することにしました。諦めかけましたが、少しの休憩したおかげで、「もう一度挑戦してみるか」という気持ちになったのです。「どうしたらあの大きな影の魚を釣り上げることができるか」を、考えました。

もう、ミミズの餌では無理であることは解っていました。しかし、他に餌はないし・・・。では、どうにか川虫を捕って、餌にしようと考え、川中の石をひっくり返して探しました。夏の終わりころは、川虫が少なくなるのです。いくら探しても捕れなかったのです。

さて、どうしよう・・・・。考えた末、川から上がり周りの林にいき、何でもいいから「虫」を捕まえようと探し始めました。 やはり、何も捕れません。

しばらく探してみたのですが、餌になるような虫は見つかりませんでした。あきらめかけた時でした。3センチほどのゲジゲジを見つけたのです。でも、今までにゲジゲジで魚を釣ったことはありませんでした、し。ゲジゲジは硬いです。 それと、すぐにまるまってしまいます。

しかし、他になにも捕れない以上、「これで誘ってみるか」と考え、準備に入りました。



この写真は近年です 上川の支流、渋川(アマゴ狙い、釣り上げたのは岩魚)

今度は、どのように誘い出すか、を考えました。 ミミズのように誘い出しても、不自然だし・・・。考えた末に、クモや、シャクトリ虫などの幼虫は、糸をたらしながら、地面や水面に降りてきます。これと、同じように誘ってみることにしたのです。慎重に針にゲジゲジを引っ掛けて、いかにもクモやシャクトリ虫が水面上の木から、ゆっくり下りてくるように誘うことにしました。

準備オッケイ。幸いにして、まだ、大きな影が見えていました。

釣り開始。 影がある水面の1メートルくらい上から、ゆっくりと餌のゲジゲジを水面に近づけていきます。一度、フェイントを掛けることにした。と言うのは、虫も水に触れば、「危ない」と察して、また、水面の上にあがろうとするはずです。シュミレーションしたように、水面に餌が触ったところで、少し引き上げました。その直後です。

今まで影でしか見ていない、魚が、引き上げた餌を追いかけてきて、姿が見えたのです。岩の下から出てきて、垂らした餌のあたりまで出てきて、グルーっと一回りして元の位置に戻りました。その光景は今でも鮮明に覚えています。「これは大きい、尺以上はある」・・・。少し興奮していました。

今度は、本番。 今回はもっとゆっくり水面に下ろして、誘うことにしました。魚の気持ちになって「今度、餌が降りてきたら、絶対に逃さないぞ」、こんな魚の心境が想像できました。

少し、時間をあけて、再度の始まりです。

水面1メートルほどから、何回かに分けて、下げて上げて、を繰り返しながら、水面に近づけていきました。ジラシながら、ゲジゲジの餌を水面まで近づけていき、「ここだ」と決めて、水面に餌を触れさせました。

その瞬間でした。 その影が水面にいるゲジゲジの餌に、跳ね上がるように飛びついたのです。

直ぐに、合わせました。 合わせたと同時に「これは大きい、尺どころではない」と、思いました。

この瞬間から、格闘です。ハリスは0.2。無理しなくても、普通に釣り上げることも無理です。どうしようか・・・・と迷いながらも決断しました。「時間を掛ければ、間違いなく切られてしまう。いちかばちかで、上げるしかない。それも、浅瀬で上げなければ、取り押さえる事は出来ない」と。そう考えながら、タイミングを待っていました。二度ほど引っ張られ回遊し直後に、私が狙っていた「ここしかない」という、場所に泳いで来ました。

ここしかない。 ここで切れても仕方ない。・・・・と、思いも巡らせながら、そのポイントに来たのです。 もう駄目もとでした。

浅瀬に向かって、「えーい」っと、泳いできた方向にあわせて、浅瀬に引っ張り上げました。その瞬間、水面から大きな体が浅瀬にむかって飛び上がったのです。「これは大きい」と思った瞬間。ハリス0.2号が、ブッチ切れ。魚がこちらに向かってきた、惰性もあり、浅瀬の水面から50センチほどのところに、釣り落ちました。

魚が大きいこともあり、バタン、バタンとひっくり返っているのを見ながら、私はそこに、飛びつきました。幸いにして、どたばた跳ねている魚を両手で押さえました。更に、絶対に逃がさない為に、親指を魚の口から、他の指はえらから、鷲づかみにしたのです。これで、絶対に取り逃がさないと、確信できたのです。

今までで、一番の大物です。絶対に逃がさない想いで握っていました。逃げられない場所まで行って、やっと安心して捕獲したのです。「やったあー」・・・・。

鷲づかみにしていた、親指の周りは真っ赤になって、血が出ていました。岩魚の鋭い歯に、ギリギリされた傷です。 その傷みより、取り押さえた興奮が大きかったです。醍醐味を通りこして、興奮していたのを思いまします。岩魚の口の中を見ると、釣り針まで伸びきっていました。

こうして、36.5センチの天然の大岩魚を釣り上げたのです。影を見つけて、釣り上げるまでには、一時間以上はかかっていました。このころは、天然岩魚36.5センチは珍しく、地元の新聞で紹介されました。

記念に自分で魚拓を作り、今でも額に入っています。私の、釣りでの一番の想いでとなっています。


思い出の 魚拓   このころは天然岩魚36.35センチは珍しく、長野日報(南信日日新聞)に掲載されました




近年の釣りでは

川の環境も、当時の昔とは変わりました。今では、あらゆるところに、アマゴや岩魚を放流しています。それも、けっこう大きな魚までも。私としては、出来るだけ「天然物」にこだわりたいのですが。それと、今では「尺以上の魚は、釣りあげるまでで、もとの川に戻しています。今では、晩酌ように持ち帰り、美味しいつまみにする程度です。また、いかにも放流もの、と解ればそのまま逃がしてきます。 釣れても、釣れなくても、やはり「天然」ものにこだわりたいです。




渓流釣りの醍醐味

渓流釣りは、海釣りやフナ釣りのように、ウキ釣り(ウキを使っての)と違って、やはり疲れます。気分転換にはなりませが。足場が悪い渓流の川の中を歩きながら、竿を垂らしたら、集中して目印の動きを追いかけます。よって、時には川の中で転ぶ時もあります。好条件の、雨上がりの濁りが無くなるころの増水した川で、今までに何度も流されそうになりました。足元が悪く危ないのですが、魚がお腹を空かせ、警戒心も薄くなるので、絶好のチャンスなのです。

逆に言えば、ここが醍醐味なのでしょう。

・大自然の中の緑豊かな渓流を、歩くだけでも気持ちがいいものです。

・自然界の魚との、知恵比べ。

・目印を集中して、観察しながら、目印が動いた瞬間(ピクピク グ〜ト引かれる)が快感。

・釣り針が魚に掛かった瞬間(合わせ)から、釣り上げ獲得するまでの経過(ドキドキ感)。

・自然の恵みに感謝しながら、お酒のつまみに(塩焼き)して、美味しく頂きます。

渓流釣りは、少々疲れはするものの、気分転換には最高かと思います。集中しているので、ほかの事は何も考えていません。 

野生の勘の鍛錬  ストレス解消   恵みに乾杯 ・・・・良いことばかりです。



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