ジバチ すがり追いの魅力 (茅野市、蓼科高原・八ヶ岳 )


● すがり追い の魅力    ジバチ捕りの醍醐味   

                  長野県茅野市   オータ住環境」 代表 太田清人

      

すがり追い 養蜂(飼育)の魅力

私にとっての、「すがり追い」「養蜂(飼育)」や、「秋のジバチの巣を透かしで見つける」ことの、楽しみのや醍醐味を、ここで紹介したいと思います。

すがりの正式名称

すがり(ジバチ)の正式名称はクロスズメバチです。上伊那では「すがれ」、岐阜県のほうでは、「へぼ」・・と地域で呼び名が違っています。山国では、昔から貴重なタンパク源として、食す習慣があったのです。

呼び名の違いはあるものの、この蜂の愛好家は沢山いるようです。しかし、近年では若い世代の愛好家がいなくなりつつあります。私の周りもそうです。私は一番若いほうです。80歳を越えた方々が、目を細め、足元は危なげに、いまだに子供心に「夢中になって」楽しんでいるのが現状です。私自身は、小学生のころから、夢中になってすがり追をしていたものです。

巣作り

巣作りの元になる女王蜂は、昨秋に巣から飛び立ち、交尾を複数回して、冬は切り株や、地中・・・で冬眠し越冬します。雪深いほど越冬条件はいいようです。雪が多いほど極寒が伝わりにくくなるのです。積雪が多いほど布団をかぶっているように地中なのかは寒気が入らないので暖かいのです。4月の終わりころに冬眠から覚めて地上にでてきます。覚めたころは、花の蜜などで体力をつけます。ちょうど田植えが始まる5月の半ばころから、巣作りに入ります。巣を掛ける条件は、田畑の土手や、林、山林の土の中です。モグラなどが通った、今は使われなくなった穴などに入り、巣を作り始めます。

女王蜂の一匹から巣作りを始めるのです。

無事に巣を大きくすることの出来る女王蜂は、越冬後の5パーセントほどと聞きます。95パーセントは、越冬から出てきた直後に寒波がくると、ここで多くが死んでしまうようです。それと梅雨時の長雨で駄目になったりします。

順調に育つと、7月の中旬ころ巣の直径が野球のボールほど(蜂の子の皿は4枚ほど)の大きさになります。このころになると、働き蜂が30〜100匹程度に増えていて、巣をどんどん大きくしていきます。このまま野にほっておくと、10月の末ころには大きなスイカほど(蜂の子の皿は、10〜15段ほどで、2キロ〜3キロほど)になります。私の今までの一番の大きな巣は、養蜂(飼い蜂)で「22段で4.2キロ」、秋の野の巣で「16出段で、4.2キロ」でした。



22段 4.2キロ 半分の巣  今まで最高のかけ蜂(養蜂、飼育)でした。 



この、22段、4.2キロの巣を、甥っ子が抱えているところです。

女皿は9段もありました。






すがり追い

すがり追いは、ここの、7月半ばころから始まるのです。

私は、仲間と毎年同じエリアですがり追いをしています。まずは、巣がありそうな場所近くの、林や山などに、蜂を引き付けるための餌(イカ、鳥のササミ、小魚の肉・・)を、木の枝等に吊るしておきます。多い時は20ヶ所ほどを仲間と分けて吊るします。前日の夕方や、当日の朝一番に吊るします。

数時間してから、吊るしておいた餌を、見に行きます。そうすると、近くに巣があるときは、吊るしておいた餌に「すがり」が餌を捕りにたかってます。吊るしておいた餌を、小さく食いちぎり自分たちの巣に運ぶのです。この、繰り返しがはじまるのです。餌を持って行ってから、また戻ってきますので、この時間が短いほど巣が近くにあります。時間が遅いのは、まだ巣が小さいか、もしくは遠くにあるかです。また、巣が大きく、元気な蜂は、見てわかります。


餌は、鳥のササミ。   このように、餌を捕りにきます。





これは鳥のササミ  団子状に切り取り、くわえながら巣に運ぶのです。







仕掛け

いよいよ「すがり追い」がはじまります。まずは、蜂を追う目印を作ります。 白い綿で作ったり、雨の日でもできるように、買い物袋で付いてくる白いビニールの袋を、長細く5センチほどにして、これを細い糸で縛りつなげます。目印の結び目から2〜3センチ離した糸先に、蜂が運びやすくした餌を結び付けます。米粒を一回り大きくした大きさの団子状にした餌をです。






この、目印の付いた餌を、吊るしてある大きな餌にたかっている「すがり」に、餌を入れ替えるように、くわえさせるのです。この時のタイミングが少し難しいです。その年の最初にやるときは、少し緊張して手が震えることもあります。






こうして、作った仕掛けの餌に、くわえさせるのです。 どうしても、写真のように、綿を付けてある糸を切ろうとします。






くわえた餌を、綿をつまんでグルグル回しながら、このように縛り付けてある糸が、後ろになるようにします。

蜂はこうして、異物が無いことを確認してから、巣に向かって飛び立つのです。すんなり行きません。何度も近くの木や葉っぱにたかって、再度確認するのです。





いよいよ、目印の付いた蜂を追いかけるのです。餌にくわえさせて、そのまま飛ばす時もありますが、いったん、手のひらなどに、移動させてから、様子を見ながら飛ばせます。この時、蜂は「異物」などがないか餌を一回りほど、口あごを使って、まわしてチェックします。「これは大丈夫」と見極めると、ハエのように、前足や後ろ足をこすり、飛び立つ準備をします。餌をくわえている蜂は、けっして刺したりしません。餌捕りに夢中になっています。

飛び立つ準備完了後に、飛び立ちます。 巣が小さいころは、そのまま巣をめがけて飛んでいく時もありますが、たいがいは、近くの木や、枝等に、もう一度たかります。ここで再度、持ち帰る餌のチェックをするのです。そのまま飛んで行ってくれる時もありますが、結び付けてある糸に気がつくと、餌から切り離そうとするのです。こうなると、どうにかしてもう一度手のひらに持ってきて、また飛ばすのです。飛び立って高い所にたかって、糸を切り始めたら、もう、諦めるしかありません。 戻って、目印から作り直しです。この繰り返しで何度も、何度もおこないます。 また、巣に向かって飛んでいきますが、林の中、山の中を関係なく蜂は飛んで行きます。それも高く飛ぶ時もあります。その蜂を追いかけるのですから大変です。運よく、すんなり見つかる時もありますが、ほとんどが、苦労します。一日中繰り返しても、見つからないこともあります。山の下から追って、山の頂上に向かって飛んでいくと、もう、追いかけ切れません。また、林や山は、地上から5メールほど高いところを飛んで行くので、その蜂を追っていると足元がほとんど見えないので、倒木ややぶに足元がひっかかり何度も転んだりもします。転んでしまうと蜂を見失いますので、また元に戻って一からやり直しです。






 目印をつけて、巣の口に飛び込んだ蜂です。


やったー  見つけたぞー    見つけた瞬間が一番嬉しいものです。(飛んでいった蜂が、巣の口にめがけて、「飛び込む瞬間」は、なんとも表現できません。嬉しすぎて。)

幾回も、綿を付けて追っていましたので、綿が三つあるのが解ります。






この巣は、林で見つけました。 林の中を、高く飛んでいってしまうので、なかなか見つかりませんでした。






見つけた巣を、飼育するのです。

「煙しゅう」、といって、麻酔のように少し眠らせる為に作ります。「煙しゅう」の調合は、硫黄、硝石、木炭を、「1対2対3の割合」基本的に作っています。調合の」個人差はあります。




巣の掘り出し。

巣を掘り出した後。 巣を取り出した後には、眠っている蜂がまだいます。全てを拾って持ち帰ります。


巣の入り口に、手作りの「煙しゅう」に火をつけて、差し込みます。 「巣の大き」「入り口から巣までの距離」「掘り出す難易度」・・・等を考えて、「煙しゅう」の時間を考えます。 あまり効きすぎると「死んでしまいます」。 弱いと、ほとんど効いていない場合もあります。このときは、もう一度「軽く」くれます。




取り出した、ジバチの巣


このように、巣をばらさないで、取って来ます。 5段あります。 まあまあの巣です。





巣の中の大きさが解ります。


昔は、このように、巣をバラシテ取って来ました。 いまでは、ばらしませんが。 





飼育する場所

巣の掛ける方は、いろいろあります。 この場合は、観葉植物に使う、容器を土に埋め込み掛けています。






捕ってきた巣は、家に持ち帰り、このようにして掛けます。この時は、既に蜂は動き始めています。






掛けた巣の上には、このように板で蓋をして更にその上に土を盛ったり・・・して、出きるだけ自然のようにします。






翌朝  巣の出入り口にジバチがいます。





こうして、今日からは、ここが巣(家)として、大きくしていくのです。






素直に見つかったり、苦労して見つけた巣は、蜂が通わなくなる暗くなるのを待って、手作りの煙幕をつかって、地中から掘り出し捕ってきて自分たちに庭などに掛け、養蜂するのです。手作りの煙幕は「炭」「硝石」「硫黄」で調合して作ります。捕ってきた養蜂の巣は、働き蜂がどんどん増えていきますので、秋にむけ大きくなっていくのです。掛けた巣の、蜂が出入りしているところをみているだけでも面白いものです。





餌くれ

巣の近くに、ジバチの大好物の「鳥のレバー」を吊るします。






小さく食いちぎって、どんどん 巣に運ぶのです。 






10月の始めころです。 このころは巣をどんどん大きくしています。巣から飛び出て行く蜂は、巣穴を大きくするために、巣まわりの土を削り、口にくわえて飛び立つのです。












すがり追い「目印追い」「透かし」の一番の醍醐味

こうして、苦労、苦労して見つけるのが楽しいのです。苦労している時は、どこら辺に巣があるだろうか、と常に推理しながらさがしています。時間、方向、高さ、飛び方・・・。へたな推理小説を読んでいるより、ずっと面白いです。一日中やって見つからない時(推理)などは「くやしくて、くやしくて」の思いが強くなりますので、半分「意地」になっても、必ず後日には見つけようとします。こうした巣は、経験上「大きなよい巣」です。大きな巣は見つけにくいものです。「高いところを飛ぶ」「飛び方が早くて付いていけない」「遠くにある」「見つけにくいところに」・・・。難しいほど面白いのです。5この巣を簡単に見つけるよりも、大きな巣を一日掛けてでも、一つ探す方が全々おもしろいです。 何事も、簡単に叶うものは、面白みに欠けるかと思います。諦めず、粘り強く探すことが、秘けつかもしれません。

秋の、野にあるすがりの巣を見つけるのも面白いです。今でも、一回は県外にでかけ捕りに行きます。目印をつけて探すのではなく、「透かし」といって、飛んでいるすがりを見つけて、巣を探すのです。飼い蜂の巣を見つけるのとの大きな違いは、目印をつけて探すのではなく、飛んでいる蜂や、餌を探している蜂をみつけてから、自分の勘と目だけで、「どこらへんに、あるだろうか」と、推測しながら探します。透かす場所を少しづつ、変えながら飛んでいる方向や高さを確かめ、飛んでいく蜂の、その交点を見極め集中的に探します。交点ですので、三角形の頂点です。山などの高低さのあるところは、加えて高さが加わるので三角すいの頂点となります。山を越えそうな時は、その山の裏側までいって探すこともあります。

収穫

見つけて巣を掘り出すのも面白いですが、見つける楽しみとは全然違います。また、料理して食べますが、ほとんどは、ほしい方々に譲っています。自身は「少し」頂くだけで満足です。蜂キチガイの方々は、ほとんどが同じかと思います。 やはり「すがり追い」が一番楽しいのです。歳はとっても、この遊びは、やめられないのです。どこに、この魅力があるのか、もっと、もっと、深いなにかが、あるように思います。 





秋の収穫

収穫の時期 10月の後半  入り口も大きくなりました






大きな入り口に、煙幕を二本。






掘り出し開始。





観葉植物などに使う、容器に掛けてありました。 





容器を掘り出して、容器にはいっている巣を、ひっくり返した写真です。








15段はあります。





逆さまにした巣を、ばらしているところです。 






ばらした、巣の順番で並べてみました。

下の、右が一番下の皿です。女王皿が7枚。(下段は全て)






重さは、2.7kありました。






 秋の「透かし」で、自然界の巣を見つける。


林の中にありました。11月6日

道路から透かし探してたところ、50メートル先にある林の中で見つけました。






なかなか、立派な巣でした。時期的には少し遅いのですが。




  ジバチの料理(日本最強のサプリメントです)

  ロイラルゼリーに次ぐ(いやそれ以上)の栄養剤だそうです。

蜂の子を取り出して、甘露煮のようにして珍味としていただきます。 貴重なタンパク源であり、貴重な健康サプリメントです。


ジバチ料理に、興味がほんとにある方は、私に問い合わせください。少しでしたお分けいたします。保存として、残しておりますので。




太田清人の趣味「すがり追いの魅力」「養蜂の魅力」と「醍醐味」でした。

すがり「クロスズメバチ」 ジバチ、 すがれ、へぼ、・・・地域で呼び名が違います。


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