火とぼし 茅野市泉野大日影集落の伝統行事(火祭り)-(長野県、大泉山)



火とぼし  大日影集落の伝統行事(火祭り) 大泉山


最新版 平成29年度を追加


平成29・28・27・26・25年度

長野県 茅野市 泉野 大日影区 大泉山山頂



火とぼしは、大泉山大日影側山頂にて毎年6月18日に行われます。田植えが終わる頃おこなわれ、雨乞い、虫払で農作物の豊作祈願・火伏せや疫病よけなどの区民の安全と無病息災の祈りの行事といわれてきています。さだかではないが江戸時代の中頃からの伝わる伝統行事です。小学校3年生から中学校の男子にて行われています。もちろん私も子どものころは楽しみにしていたものです。火とぼしは、大泉山側で「大日影」「御作田」  小泉山側で「上古田」「下古田」で毎年行われています。「上古田」の火とぼしは、茅野市の「無形民族文化財」に指定されています。

たいまつ(今は灯油玉)に火をつけ、山頂に作った小屋に火をつけて、燃え盛る小屋や集落に向かって「ひとぼし ちょい ちょい 集まれよー)と大きな声で村中に聞こえるように繰り返し叫び祈願します。

最近では、子どもが少なくなり事実上こどもだけではできませんが、伝統行事でありますので、有志を募って、どうにか繋いで行きたいと考えています。


大日影集落の伝統行事である「火とぼし」 大泉山の山頂に小屋組みを作り、周りの水ナラなどの葉のついた枝を詰め込み乾かします。

昔は準備が田植えの時期と重なり、親にはいい顔をしてもらえなかったことを思い出します。準備は、春休み(お田植え休み)を主に使い5回ほどは山に登りました。自分たちの休憩小屋(3ヶ所)を作ったり、お昼には味噌汁を作ったりと、とても楽しかったことを覚えています。今の子どもたちは、伝統行事としての自覚意識が無さ過ぎますので、少しは伝えていかなければと思っています。伝えていくにしても子どもが、特に男子が少なすぎます。28年度は、男子がいなく小学5年、3年の女子2人だけが参加してくれました。

                      管理責任者 太田清人







火とぼし  6月18日午後8時ころに点火します。     大泉山(大日影側山頂)  





大泉山です。山下にみえる家並みが大日影集落です。天気がよければ大泉山の左側には八ヶ岳がきれいに見えます。集落上の右側のこんもりした山が大泉山。左側が大日影側山頂で、少し右奥側に見える中央の一番高い山が大泉山の山頂(三角点)です。 

11月10日ころ、おばあさんが、手の届くところの柿も採っていました。

この山の2キロほど西よりに小泉山があります。八ヶ岳西ろくのきれいな裾野に、2つの山だけがポツンとあるのです。昔話で、デイダラ(デーダラ)ボッチの大男が、八ヶ岳からてんびん棒で諏訪湖を埋める為に土を運んでいたところ、ここでてんびん棒が折れてしまい、そのまま根付いたのことです。詳しくは「昔ばなし」で調べてみてください。







10月ころの大泉山です。






6月初め、新緑の大泉山。 大日影集落側の、ここの頂上で火とぼしを行うので、茅野市の遠くからもよく見えるようです。 暗くなる午後8時頃に点火します。 この行事を知らない方々は「大泉山が火事だ」と消防署に通報する方が、今でも時々あります。平成27年も山火事と間違え、通報されました。






平成29年度(2017)火とぼし



5月28日  火とぼしの小屋づくり と 頂上の整備  子どもが4人もいます。






山頂周りの整備  平成22年ころより木の伐採

平成24年度の頂上からの、見晴らしです。

22年度ころは、集落は全然見えていなかった。頂上まわりの木が被い茂っていた。




平成29年 整備前のみはらし。

平成29年、整備前の見晴らし

22年度ころから、頂上周りの整備をする。 毎年3本ほどの木を伐採し見晴らしをよきしてきた。


頂上(大日影側)より 北西側(豊平小学校方向)をみる。手前は大日影集落(一部しか見えていません)

真ん中より右側が、松ノ木やナラ木で見晴らしが悪い。4年ほど前より4本ほどづづ切り倒して見晴らしをよくしてきました。今回は、思い切って10本ほどを切り倒しました。

7年前は、木が大きくなりすぎていて、お里はほとんど見えていませんでした。








平成29年、整備後のみはらし。

平成29年度 整備後のみはらし

思い切って10本ほどの松、ナラのきを伐採する。 上の写真と比較してきてください。豊平小学校がど真ん中に見えるようになり、米沢の方までよく見えるようになりました。

皆さん、一度はここに来て、里や北アルプスなどをゆっくり眺めてください。

小泉山は、整備された人工的な公園の山。

大泉山は、昔ながらの自然の面影を大切に繋ぐ、自然豊かな山。







霧が峰高原の奥に、北アルプスがきれいに望めました。 穂高連峰、槍ヶ岳・・・。






作業終了

小屋作り  山頂周りの整備終了(とてもきれいになりました)  

今年は、主に右側の木を伐採(10本ほど)。見晴らしを良くする為の伐採。7年前の頂上からは、木が大きくなりすぎていて何も見えませんでしたが、ここまで開くことができました。伐採した木も、もったいないので、どうにか使用したいと思っておりますが、なんせ、頂上のすぐ下ですので、運び出せません。






小屋作り 頂上周りの整備  木の伐採10本ほど が終了しました。 疲れてヘトヘトでした。私は伐採係り(チエンソー)で、足元もフラフラでした。




6月18日 火とぼし当日

6雪18日 火とぼし当日 午後7時ころ (大泉山山頂-大日影側)

最近に無く、子供6人が参加です。 暗くなるまでは、お遊び。準備の時に「かまど」を作っておきました。ここでマシュマロを焼いて食べています。 来年はここでカレーを作って、ご飯をたいて、たべてもらいたいです。





おいしそうに焼いて食べています。はんごう、にてお湯も沸かしています。






お湯を沸かして、ラーメンを作るのです。おいしそうでした。

来年は、大人達はここで、「焼肉をやろう」と、今から楽しみにしています。アミとジンギスカンと・・・・。





小屋に点火(午後8時ちょうど)

小屋に点火  梅雨の割には、雨が全然降らないので、火をつけたら一気に燃え上がりました。

初参加の子どもたちは、少し怖がっていました。





子ども達にとっては、いい思い出になるはずです。





燃え上がると同時に、集落の里に向かって、声を合わせて大きな声を出し叫びました。

「ひーとぼし ちょーい ちょーい あつまれよー」繰り返し・・・・・・・。






「ひとぼし ちょーい ちょーい あつまれよー」繰り返し・・・・・・・。大きな声で。声がかれるまで。

「豊作祈願「無病息災」「火よけ」  今年はもう一つ「雨乞い」・・を皆で祈願しました。

「秋葉さま」「津島さま」「金毘羅さま」「天神さま」にも、祈願しました。






終わるころには、初めて参加した子どもたちも、楽しかったようです。





来年は、子どもの参加がもっと増えそうです。いいことです。





終わって、子どもらが山から下っていたころ、ご長老がひとり、急道から頂上に上がってきました。火の番をしながら、また飲み直しです。





これで、29年度の火とぼしは、終わりです。






平成28年度(2016)火とぼし


準備作業を終えて、一休み。
小屋作りと山頂周りの整備を、区民の有志で行いました。




準備作業、終了です。 今年は火とぼしを行う、対照となる子どもが一人もいません。今年は小学校5年生と3年生の女の子と、区民の有志です。女の子が火とぼしに参加するのは、昨年からの2回目のことです。




大泉山山頂(大日影側) から、里を望む。とっても気持ちがいいです。





6月18日 火とぼし

今日は天気に恵まれました。 梅雨時ですので、たいがいは雨にふられます。




参加者の女子(小5・3年)二人は、お酒でなくカップラーメンを山頂でいただいています。山頂でいただくラーメンは、格別いっそう美味しいでしょう。




大人達参加者は、暗くなるまで雑談しながら里を眺めながらビールで乾杯。小さいころは自身が火とぼしをした経験者がほとんどです。




だんだん暗くなってきました。 夕焼け空です。気持ちがいいです。




北アルプスの稜線がきれいに望めます。  槍ヶ岳もくっきりと。 少し幻想的な魅力です。






大泉山の中腹にある「秋葉神社」。 火伏せの神様

火とぼしの始まりは、ここからです。昔はここまでたいまつを持って来たそうですが、いまでは頂上から、こちらをみて祈願するだけです。





午後8時、小屋に点火。




初参加の、小学生。 怖いながらも、楽しそうです。昨年も二人で参加しましたが、怖くて少し遠くにいましたね。









「火とぼし、ちょいちょい、集まれよ〜」「火とぼし、ちょいちょい集まれよ〜」・・・。と、災を見ながら、また、大日影集落に向かって、繰り返し叫びます。










二度目の参加。 今年はとても楽しかったようです。これもまた、思い出にのこることでしょう。




燃え尽きましたので、山を下ります。




真っ暗な山道を、たいまつの火で照らしながら下ります。




真っ暗の山道、少し心配そうに下っていきます。




最後は、金毘羅神社(金毘羅様)や、天神様で祈願。 ここで火とぼしは終了となります。







平成27年度



今年の作業も、有志で行いました。 山頂周りも下草刈などで整備できて、きれいになります。




有志とは、里村づくりの会が音頭をとり、区会、支えあいの会、子ども会(本来は子ども会のみ)、公民館と、区民の有志です。





小屋作り作業、ご苦労様です。





6月18日 火とぼし開始  最初は秋葉神社に向かって祈願した後に点火。  点火直後です。

中学3年男子1人、小学生4年、2年の女子の3人の子どもが参加です。 少し風もあったため、ご覧のとうりいつもまく、強い炎が立ち上がりました。










女の子2人は、さすが初参加で、少し怖かったようです。 右側で座り込んで恐々見ています。




終了間際の記念撮影。

※ この時間帯に大泉山の高尾社の登り口に消防自動車がサイレン鳴らしながら数台駆けつけてきました。どうも、県道の通行車両が、「山火事」だと勘違いして消防署に連絡(119番通報)したらしいです。このころから、消防署が諏訪全域の連合となり、岡谷署に全ての連絡が入るようでした。岡谷署では「茅野市の伝統行事を、よく理解できていなかったようです。いままでは茅野市の消防署で対応していたので、この「火とぼしは、毎年6月18日に雨天決行」となっていたため、伝統行事として、お互いに明確な届出や確認はしていませんでした。 一こと言いたいのは「火とぼしの伝統行事に、少し水を差された」おもいはしました。 

いづれにしても、今後はこのようなことがないように、事前に届出と、当日の確認をできるようにして、火とぼしを行うことになりました。 伝統行事(各地区で行われている「どんどん焼き」)・・・等も同じことです。





平成25年度


大日影側の山頂です。このように小屋組みを作ります。この中に木の葉などを詰め込むのです。



周りの小枝や、近くの水ナラの木の枝を切ってきて、このようにしっかりと、小屋組みの中に詰め込みます。山頂まわりのやぶ刈りでちょうど良いです。山頂整備にもなります。


一段高いところで、枝も詰め込んでいます。少し恐々で作業しています。  




二段目に足を掛けて、一番高いところに枝を詰め込んでいます。高いところが好きな人は気持ちがいいことでしょう。



準備作業が終了しますた。 小さな小屋と、大きな小屋を作りました。




2週間ほどで、詰め込んだ木の葉とは、乾きます。




今日は6月18日、火とぼし本番です。 少し早めに山に登ってお楽しみ。 かまどを作って火を焚きます。



お湯をわかして、ラーメンを作って食べています。これもお楽しみ。




火とぼし本番 午後8時。

いよいよ、火とぼし本番 たいまつに火をつけて、次に小屋に火をつけます。小屋の中の枯れ葉などは威勢よく燃え上がります。 ここの時に、大日影集落の全域に響き渡るように「火とぼし ちょい ちょい 集まれよー」と大きな声で繰り返し叫びます。




「火とぼし ちょい ちょい 集まれよー」と叫びながら、田植えが終わったころ、害虫などを呼び寄せ駆除したり、追い払うのです。今年の野作物の豊作祈願。

もう一つは、近くに火災よけの「秋葉神社」があることから、火伏せの祭りとも言われています。

区民の疫病よけで無病息災、子供達の健やかな成長をも祈願しているものと思います。




江戸時代の中頃から続く、伝統ある行事(祭り)なのです。大日影集落の誇れる伝統行事であり、大切な文化なのです。




子どもたちにとっても、いい思い出になることでしょう。




火が燃え尽きてきました。そろそろ下山の準備です。




燃え尽きると、一列に並んで真っ暗な山道をたいまつで照らしながら下山します。下山しながらも「火とぼし ちょい ちょい 集まれよー」と叫びながら下ります。




真っ暗な山道ではありますが、たいまつの明かりと、仲間がいるので安心です。足元だけは気をつけなければなりません。




下山の途中に「金毘羅神社」「天神様」があります。ここでもう一度お祈りをして下山します。




この日には、豊平小学校の校長先生も参加しました。隣は小学校6年生の太田祐介君。




下山を終えて、集落の入り口まで来たところで、たいまつの火を消して、火とぼしの行事は終了です。







平成26年度

今年も火とぼしの準備の時期が来ました。しかし、対象になる子どもは2人しかいません。それも、中学3年生と2年生です。再来年は対象者が0人となってしまいます。そこで、伝統行事を守っていこう、と呼びかけ有志を募り準備することになりました。



有志の大人が、主になって小屋作りをしています。こうした大人も私を含め、子どもの頃には火とぼしを経験しています。昔は、大人は手を出していません。すべて子どもたちだけでやっていたものです。でも、なんとなく子供心にもどった感じで、けっこう楽しんでいました。



準備が終了しました。小屋作りと、山頂まわりの整備ができました。




6月18日火とぼし本番
対象の子どもら2人と、また有志の参加で行いました。いよいよ点かです。



本番、燃え上がる小屋を背にして、大日影集落に向かって参加も一緒に「火とぼし ちょい ちょい 集まれよー」と繰り返し、繰り返し大きな声を出し叫び続けました。



対象者の2人だけでは、やはり寂しいですね。参加している大人達も子どもに負けぬように大きな声をだしていました。



お腹の底から、大きな声を出すと気持ちがいいものです。普段このようなことは出来ません。子どもも大人も、気持ちよくお腹の底から大きな声を出していました。私を含め大人たちは、普段のストレス解消にもなったかと思います。



燃え尽き終了間じかです。参加者で記念撮影。



山を下る途中も、大きな声で「火とぼし ちょい ちょい 集まれよー」と叫び続けていました。






左 金毘羅神社(金毘羅様)    右 津島様



金毘羅神社(金毘羅様)・津島様・天神様で、更に大きな声を出していました。きっと祈りが大日影集落の皆さんに伝わることでしょう



ここで参加者全員で最後の祈りで、大きな声を上げていました。また来年も皆さんで協力して伝統行事をつないで行きたいと思っています。こうして、参加している方々にも「ご利益」があるかと思います。





おわり
「火とぼし」江戸時代から続く伝統行事(祭り)は、大日影集落の文化でもあります。大切につないで行きたいものです。




「火とぼし」  伝統行事 江戸時代よりつながる火祭り

 虫払い(虫送り)、雨乞い、田畑の豊作祈願   

 火伏せ、疫病よけで区民の安全、無病息災の祈願

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