現地に伺い現状の被災状況や周りの環境を把握する。 敷地内から住宅の床上まで土石流が入り込んでいた。
狭い沢筋である(今後も土石流を無くし、また発生した時の砂防対応は難しい場所である)、敷地は傾斜地、周りは道路で囲まれている、その横に川があり土石流の道筋となり床上まで土石流が入り込んでいる、東側のすぐ上(頭上)は中央道、・・・と危険要素が沢山すぎる。
今後も、今回のような豪雨で土石流災害が発生してもおかしくない地形である場所と推測できる。
こうした危険な場所であることを説明し、「家族、子供、子孫の生命の安全の為にも、安易なリフォームで暮らし続けるより、出来れば心配いらない安全なところに移り住んだ方が良いと思います」とアドバイスする。
私のアドバイスで、迷っていた今後の暮らしについて「移住」の決心がついたようでした。
この相談は、18年7月の豪雨による諏訪地方で発生した「豪雨災害」の土石流被災者でした。大きな災害をもたらした岡谷市湊地区ではなく、山裏側になる東川岸地区でした。被災状況を直接この目で見たときは、本当に驚きました。今回は、家だけの被害であり人命には影響しなかっただけでもよかったとおもいました。、行政や、自治体などの相談窓口では、補助金・非難・・・などの相談や対応はしてくれるものの、今後の暮らしの安全性などについては、相談にのってくれななかったようです。補助金や保険金を使っての、大金(1000万円)をかけたリフォームを考えていたようでしたが、やはり将来のことを考えると心配で決心がつかなかったようでした。
私は、上記などの不安材料をあげる中で、もし大金をかけてリフォームした後に暮らし続けている時に、「子供も増え楽しい生活をしていているなか、今回のような災害で、間違って大切な家族の尊い命、ましてや我が子供や孫を先になくしてしまうようなことになったら、後悔ではすまないのではないでしょうか。」と私なりの思いを話しました。
2時間ほど話をしているうちに、迷いがなくなって移住の決心がついたようでした。「太田さんわざわざ来ていただき、しっかりと現状を見ていただいたなかで、アドバイスしていただき本当にありがとうございます。今まで迷い心配していたことが解決できこれで決心がつきました。やはり、不安を残しながら今後は生活したくないです。いわれるとうり、子孫の安全の為にも移住で考えて行きます」と、安心したのか笑顔で言っておりました。
長く暮らし続けた場所、家には、地域とのお付き合いや愛着もあるかとは思いますが、やはり、家族の生命を守るほうが大切です。そのためにも、いつ発生するかわからない自然災害(地震、豪雨、台風・・)の備えが必要です。家族、子供、子孫の為にも、安全で安心して暮らせるところに家を建て、心配なく楽しく快適に生活していきたいと願います。
これから新たに家づくりをされる方々には、こうしたことにも十分に認識していただき、「安い土地だから」「便利だ」「眺望がいいから」「先祖から受け継いだ」・・・と選定要素は沢山ありますが、やはり家族の生命を最優先に考えていただき、子供、子孫までも安全で安心して暮らせる住宅建設地(不動産)の選定をしていただきたいと願います。
今回の調査実例の重要ポイントは 「自然災害ー土石流の被災の把握」「リフームして安心して暮らせるか」「家は家族の生命を守る」「移住」
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